ガウディの瞳3

集落や都市にはサプリメントとしての科学がある。

その昔、スペインではイベロ人という先住民族がいた。ところがフェニキア人やセルタ人が住着き新たな文化を定着させ鉄細工が生まれる。これによって道具がつくられ、農工具や武器まで作られるようになった。そしてギリシャ時代には植民地活動がはじまりイベリア半島にギリシャ人がやってきて「文化の火」がつく。つづいてローマ人、アラブ人、フランス人が入り込みリ領土争いが加熱した。 その都度、国同士の摩擦というか戦争がはじまった。
スペイン人も負けては入られない。海を越えての植民地活動をはじめた。しかも地中海を超えてアメリカ大陸に辿り着く。
そんな歴史の傷跡も残っているスペインであるがその国に現在では中国人や日本人までが混じり込んできた。私もその一人となっているが摩擦は避けるようにしている。


ここでガウディ建築について話す。
ガウディの日記に「装飾概念と美的感性」という言葉がある。これは彼の「建築作品を読む」ためのサポートになる。 さらに「形態、表面、ラインによる全ての構成は、幾何学や美学の本質としてコントラストやプロポ−ションが役立つ。」と記されている。この言葉は「美しい形」がコントラストやプロポーションが考慮されている。そしてこのコンセプトは、ガウディの生涯を通して建築作品に貫徹される。
さらにガウディは、その美しさを強調させるための工夫をする。
他にサプリメントとして歴史的に物語性のつよい「美」のコンセプトを動植物達によって演出する。これは、作家によって作られた「メッセンジャー」として社会に問いかけることになる。さらにトータル・コンセプトの調整を他の要素に委ねることになる。それが詩や神話であったり、時にはオーナーのアイデンティティーも含めた物語性を建築に演出させたりするようになる。この土着性のある庶民的なメッセージを建築の中でわかりやすく表現することで親近感をもたせてくれる。これもガウディの性格によるものであれば、「とても人間味の溢れた優しい性格の人」であったことになる。