レウスのモデルニズムとセラミック

カタルニア地方のレウスにある精神病院ペレ・マタ(PERE MATA(1897−1912)はドメネック・モンタネールによって計画されたカタルニアでも代表的なモデルニズムの建築である。
その建築作品に利用されているセラミックはレウスのHipolt Monseny窯業(イポリ・モンセニー)で作られていた。
この工場はこの数年前に閉業されているが現在でもその姿を残している。このイポリ製の陶器はバルセロナのモデルニズモで広く利用されていたことは工場の台帳でも裏図けられている。

現在この持ち主で子孫であるイポリ氏は、モデルニズムの生き字引のように当時の様子を聞かせてくれる。
この窯は、当時からの円筒状窯であり、二重構造になっている。薪は外部から窯に入れて焚き二重壁の空気層に入り、火は、ボールトの展天井腋から内部に入り窯の中央床の穴に火が抜けて集合煙突に通じている。これによって窯内部の温度調整ができるようになっている。かれらはこれを「逆炎釜」というような言い方をしていた。初めて見る窯である。